がくちょうです。
本記事では、ガチエリアにおける攻撃ロールについて、詳しく解説していきます。
2つの分類と6つのロール
まず、ACYではガチエリアにおけるプレイヤーの役割として、
メインロールとして
- 攻撃ロール
サブロールとして
- 支援ロール
という2つの大きな分類を行っています。
そして、さらに攻撃ロールの中に
- DPS
- ロングDPS
- フィニッシャー
という3分類を行い、支援ロールの中には
- フランカー
- タンク
- サポート
という3分類を行うことで、合計で「6つのロール(役割)」に分類を行います。
このようにわざわざ分類を行うのは、「武器の強みをどのように発揮すれば良いか」をイメージしやすくするためです。
6分類という大雑把な分類ですが、「この武器はこういったロールに向いていて、こういうプレイをすることでチームに貢献しやすい」というイメージを持ってプレイすることで、武器の性能を最大限に発揮しやすくなります。
つまり、ロール分類の目的は
使用武器の性能を最大限引き出せるようになり、チームにとっても最も貢献度の高いプレイをし続けられるようになること
だと定義できます。
上記のイメージを持って、ロール意識を練習に取り入れていってください。
全ての武器は攻撃ロールを担当できなくてはならない
ロール概念では、前述したように
- メインロールとしての「攻撃ロール」
- サブロールとしての「支援ロール」
という2つの分類を行います。
この2つは、
- 攻撃ロールは、自らの手でキルを獲る役割
- 支援ロールは、攻撃ロールがキルを獲りやすいように支援する役割
という風な位置づけで構成されているのですが、ここで重要なのは
- そもそもエリアの塗り合いは「お互いのチームのインクの総量」で基本的には勝敗が決定する
- 1人のインク保有量を100とした場合、人数イーブンならお互いに400ずつのインク保有量があるが、キル負けして自チームのインク総量が常に敵チームより下回っている場合、生存している人間が何をどう頑張っても基本的に塗り負ける=敵チームのカウントが進む(300ミリ以下のバケツと、400ミリのバケツでぶっかけ合う事になるから)
- つまりガチエリアにおけるキルは「相手のインク総量を奪う=チーム間のインク総量差を生み出して強制的に塗り勝てる状態にする」という行為である
- キルは全てを解決してくれるため、支援ロールの仕事もあくまで「最終的にキルを獲ること」が目的であり、支援単体では機能しない
- 逆に言えば、基本的にはまずは自分でキルをする(攻撃ロールとして動く)必要があり、味方がキルが獲れるのを確認してから、必要に応じて支援ロール寄りに移行するべき
という関係性を理解することです。
言い方を変えると、攻撃ロールは単体でもキルさえ獲れば仕事が完結しますが、支援ロールが支援だけ行ってもキルに繋がっていなければ意味が無い、という事になります。
もちろん理想は、支援向きの武器がしっかり支援ロールの仕事をやったら、攻撃ロール向きの武器がキルを獲ってくれることなのですが、そうならない場合には自分がどんな武器だろうと、攻撃ロールを担当する必要があります。
そのため、ACYのロール理論では、まずはどんな武器を使用していようが、自分の武器で担当できる攻撃ロールを見極めて、狙った数字を出せるようになることを優先しています。
ロール理論の入り口は、「どんな武器を持っても、攻撃ロールとして立ち回れて、結果を出せるようになること」だと認識して、練習に取り組むようにしてください。
3つの攻撃ロールの特徴と適性のある仕事
では、ここからは3つの攻撃ロールについて、どのような特徴を持った武器が該当するかと、その特徴を活かした適性のある仕事内容について紹介します。
①DPS
DPSは
- メインとサブの組み合わせによって合計100ダメージ以上を瞬間的に出しやすい
- 塗りが弱い
- 射程が短い
という特徴を持っている武器が担当します。
DPS武器は基本的にタイマン性能が高く、また状況によっては1人で連続キルも狙えるようなキル性能を持っています。
全ロールの中で最もキル性能が高い反面、他の支援性能が著しく低く、さらに射程もそこまで長くないという特徴があります。
人気武器だと
- スプラシューターコラボ
- バケットスロッシャーソーダ
- スクリュースロッシャーベッチュー
- デュアルスイーパーカスタム
- ボトルガイザーフォイル
- ケルビン525デコ
- ヒッセン
- スプラローラー
などが該当しています。
DPSの仕事イメージ
DPSの仕事の中心はキルを獲ることなので、とにかく試合中は常にキルを狙い続けるような運用イメージになります。
そのためには、常に敵プレイヤー全員の「意識の外」にいるように心がけるのが重要です。
敵からすると、
- どこにいるか常に分からない
- いると思っていた場所にいない
- いないと思っていたらすぐ近くにいた
というDPSが最も怖い存在であり、そのためにDPSロールは常に「今、自分は敵に意識されているか?」というのを感じ取るセンスや感覚が求められます。
そのためには、敵の武器種から位置を予想したり、敵のデスや復帰のタイミングから通過ルートを予想したり、塗り状況から敵位置を予測したりなど、とにかく敵についての情報量を増やして「相手の意識できる範囲」を把握する必要があります。
これによって、敵の意表を突いて奇襲をかけたり、単独で行動している敵をキルしたりなどの、DPSの性能を発揮してキルを獲りやすい動きになっていきます。
逆に、位置バレしているのにダラダラと戦ったり、警戒されているのに正面から強引に突っ込むのは、良いDPSのムーブとは言えません。
さらに言うと、そもそもキル性能と引き換えに塗りや機動力が弱い武器が多いため、
- キルが獲れないのに無駄に牽制インクを出したりすると位置バレして囲まれてしまう
- どうせ塗り切れないのにオブジェクトインクを出したりすると位置バレして敵を逃してしまう
など、メリットが少なくなります。良くも悪くも、キルに特化したムーブを行うのが武器性能にマッチしているイメージです。
上記を意識しながら、
状況把握→敵の動きの予想→先回りして準備→奇襲→すぐに移動してまた状況の把握・・・
という繰り返しによって、キルを増やしていくのが基本の立ち回りになります。
DPSの専門ジョブ
上記の「敵の動きを予想して、意識の外から奇襲をかけてキルを獲る」という基本ムーブに加えて、さらに「DPS系武器の特徴を最大限に活かした仕事」を3つ紹介します。
- ファーストキルによって人数有利を創り出す(ワンピック)
- 敵陣側で敵の支援ロールやロングDPSを狙う(ハイプレス)
- カウント進行中に連続キルを獲る(キャリー)
の主に3つになります。
ワンピック
まず、人数がイーブンの状態から「最初のキル」を入れるのが、最も代表的なDPSの専門ジョブです。(これをワンピックと呼びます)
DPSはキル性能以外の支援関連の性能が低いため、DPSが自分からリスクを取ってキルを狙いに行かないと他の仕事がほとんど無い(つまり事実上なにもしていない)状態になってしまいます。
そのため、人数が互角の状態から自分がワンピックを入れて、チームを有利な状態に持っていく事において、DPSは専門家でなくてはいけません。
状況が五分でも確実に仕留められる「確殺ムーブ」の引き出しをいくつ持っていて、それをどれだけ確率高く実行できるか?というのが、DPSの実力の1つという事です。この実力は「ワンピックの回数」で計測できます。
ワンピックの回数が多いほど、DPSとしての仕事量が多いという事になります。
もちろん、狙いに行ってキルが獲れなかった時に、簡単にデスしない「リスク管理力」も同時に必要です。
ハイプレス
次に、敵陣側のできるだけ高い位置で、敵の支援ロールやロングDPSのキルを狙って戦闘を起こすのも、DPSの重要な仕事になります。(これをハイプレスと呼びます)
DPSが「できるだけラインが高い位置」でキルを狙って戦闘を起こすことで、圧力をかけて「戦闘の前線自体を押し上げ」ることができます。
特に敵の支援ロールやロングDPSという「下支え」をする敵プレイヤーを、高いラインでキルすること。もしくは最悪キルが獲れなくても、圧力によって味方の支援が不可能な位置まで下げさせることができると、敵の前線を孤立させることができ、結果的に人数有利を創りやすくなります。
敵の圧力をかいくぐって、高い位置で戦闘を起こし、敵陣側でキルを獲れるか?というのがDPSの実力の1つという事です。この実力は「キルのアウェイ率(キルのうち何割がアウェイ側で発生しているか)」で計測することができます。
キルのアウェイ率が高いほど、DPSとしての仕事量が多いという事になります。
キャリー
最後に、カウント進行中に連続キルを獲るという仕事です。(これをキャリーと呼びます)
このキャリーは、DPSの専門ジョブの中でも最大にして最重要であり、DPSとしての仕事量の大部分がキャリーにかかっていると言っても過言ではありません。
大げさに言ってしまえば、ワンピックもハイプレスもどちらの仕事も失敗しまくったとしても、キャリーがちゃんと実行できたのであれば、DPSとしてチームに大きく貢献して勝たせることができます。
敵の予想を裏切るポジショニングや潜伏で、敵をガチエリアに近づけさせずにキルできるか?というのがDPSの実力の1つという事です。この実力は「キャリーの回数」で計測することができます。
キャリーの回数が多いほど、DPSとしての仕事量が多いという事になります。
DPSの理想リザルト
DPSロールが適切に仕事をした場合、必ず数字に反映されるのは「キル数」になります。
膠着状態からのワンピックが5分間で2回~3回、さらにカウント進行中のキャリーが2回程度と考えると、少なくともアシスト抜きのキルで7キル以上は必要です。
逆に、その他の「アシスト数・塗りP・デス数」というのは気にする必要はありませんし、キル数も多ければ良いわけではありません。
むしろDPSに求められるのは「キルの質」であり、勝負を決めるようなキルが獲れれば少ないキル数でノックアウトして、そのままゲームを終わらせることができるからです。
DPSロールは「優勢状態を創り、そのままノックアウトする」というのが仕事の中心にあるため、他のリザルトがどれだけ悪かろうが、DPSとしての仕事をやりきれば、それだけでノックアウト勝利できます。
ワンピックで優勢状態を創り出し、ハイプレスで味方全体のラインを上げ、キャリーで敵がエリアに近づく前に人数を減らしてしまう。
このように、優勢状態を自分の手で作り出し、作った優勢状態を維持したまま、敵チームが機能する前にゲームを終了させるのがDPSロールに求められる仕事内容です。
これは、一度作った攻めのチャンスを最大限に活かして、そのまま試合を終わらせてしまう「クローザー」のような役割だと言っていいでしょう。
サッカーなら、体力も持続力もなくてほとんど前線でサボっているように見えるのに、少ないチャンスでハットトリックを取って試合を決めてしまう外国人フォワードみたいなイメージです。
逆に、ゲームが長引いて、お互いのチームが機能し始めて「インクの物量投入戦(スタミナ勝負)」のような戦いになってきてしまうと、DPSロールは性能を発揮しづらくなっていきます。
- 短いゲームにする
- ノックアウトで終わらせる
- 敵チームを機能させない
そのために、「敵の意識の外から攻撃を仕掛け、質の高いキルを獲る」というプレイスタイルをイメージしましょう。
②ロングDPS
ロングDPSは
- メインだけで合計100ダメージ以上を瞬間的に出しやすい
- 射程が(相対的に)長い
という特徴を持っている武器が該当します。
ロングDPS武器は基本的にメインのダメージ量が高く、かつ遠方の安全な位置から一方的に敵をキルできる性能を持っています。
全ロールの中で最も射程が長く、遠くからリスク無く「キルと同時に一定の塗りも取れる」という優位性がある反面、射撃間にロードや硬直などの「隙」が発生するため、接近戦に弱いという特徴があります。
人気武器だと
- リッター4K
- スプラチャージャー
- ジェットスイーパーカスタム
- エクスプロッシャー
- ダイナモローラー
- Rブラスターエリートデコ
- ハイドラントカスタム
- クーゲルシュライバーヒュー
などが該当しています。
ロングDPSの仕事イメージ
ロングDPSの仕事の中心も、DPSと同じく「キルを獲ること」になります。ただ、DPSと比べると
- 「後ろから視野を確保して状況を確認できる」
- 「一定の塗りもできる」
- 「多少位置がバレていてもキル性能が落ちづらい」
という特徴があり、これによって運用イメージが変わります。
基本的には、常にキルを狙い続けるような意識ですが、DPSのように「常に敵の意識の外」にいるようなイメージではなく、適時エリアに塗りも入れつつ、同時に敵を狙い続けることで「圧力」を感じさせるような運用になります。
基本的に居場所がバレるのは良くないですが、「存在感があるから強い」という側面も持ち合わせているため、常にキルを狙う意識を持って射線は隠しつつも、要所で射線を出して前線で戦う味方のフォローも行い、射程や射線の管理をミスした敵が「キル範囲」に入ったのを見逃さずに、確実に仕留めるような運用イメージです。
もちろん、居場所がバレバレだと敵のDPSに狙われてデスしてしまったり、射線を切られてしまうので、細かいポジション調整やオブジェクトを使った潜伏なども取り入れることで「キル範囲」をずらしていく事が非常に重要です。その点は、DPSとかなり似通った立ち回りになります。
ただし、射線を隠しすぎて圧力自体が弱くなったり、敵を狙いすぎてエリアや盤面の管理がゼロになってしまうのは、良いロングDPSとは呼べません。この点は、DPSよりも「存在感」をシーンによって出し分けるという意味で違いがあります。
DPSは「キルが獲れない位置ならリスクが大きいから無駄に撃たない」という選択肢が基本ですが、ロングDPSが同じように「キルが獲れないなら1発も撃たない=事実上潜伏している」という感じになると、チーム全体として塗りや盤面管理が少なくなりすぎてしまう、という事です。
ロングDPSの場合は、位置がバレてもDPSのようにすぐにデスリスクには繋がらないため、「キルが獲れなくても、ある程度は撃って塗るべき」という運用イメージが必要です。
DPSが「キルインク8:牽制インク1:オブジェクトインク1」だとするなら、
ロングDPSは「キルインク6:牽制インク2:オブジェクトインク2」くらいのイメージになります。
ロングDPSの専門ジョブ
上記の「存在感の出し分けでキル範囲をずらし、リスク管理をミスした相手を1発で仕留める」という基本ムーブに加えて、さらに「ロングDPS系武器の特徴を最大限に活かした仕事」を3つ紹介します。
- 打開時にファーストキルによって人数有利を創り出す(打開ワンピック)
- 抑え時にファーストキルによって人数有利を創り出す(抑えワンピック)
- 敵チームのロングDPSをキルまたは機能不全にする(航空制圧)
の主に3つになります。
打開ワンピック
まず、打開(敵にエリアを確保されて、取り返すシーン)において、「最初のキル」を入れるのがロングDPSに求められる専門ジョブの1つです。(これを打開ワンピックと呼びます)
ロングDPSはキル性能という意味では、DPS武器と特徴が重なるところが多いですが、「デスリスク無しでキルが獲れる可能性がある」という1点において、DPSと全く異なる唯一無二の特徴を持っています。
敵に絶対に倒されない位置からでも、一方的にノーリスクでキルが狙えるロングDPSの性能は、打開という不利な状況をたったメイン1発2発だけで覆すことができ、これは他のロールでは絶対に実現できない仕事内容と言えます。
そのため、打開のシーンで自分がワンピックを入れて、チームを有利な状態に持っていく事が、最も重要で基礎的なロングDPSの仕事だと言えます。
この場合、甘えた動きをした敵を自分1人で仕留められたら満点ですが、それが難しい場合は味方に敵を釣り出してもらい、その敵を遠方から自分が仕留めるようなイメージになります。
打開という相手に盤面を抑えられている不利状況で、甘い動きをした敵を1発でキルできるか?というのが、ロングDPSの実力の1つという事です。この実力は「打開ワンピックの回数」で計測できます。
打開ワンピックの回数が多いほど、ロングDPSとしての仕事量が多いという事になります。
抑えワンピック
次に、抑え(自チームがエリアを確保していて、敵を抑え込みたいシーン)において、「最初のキル」を入れるのもロングDPSの専門ジョブの1つです。(これを抑えワンピックと呼びます)
先ほどの「打開ワンピック」と同じく、ロングDPSは「デスリスク無しでキルが獲れる可能性がある」という唯一無二の特徴を持っており、打開側がスペシャルが貯まりやすいルール仕様を考えると、ロングDPSが「抑えでワンピックする」ことは、
自チームのインク1発 と 敵チームのスペシャル使用権1回
を事実上、リスクゼロで交換できることになります。
非常にアド(自チームにメリット)の大きいトレードになる上に、敵チームの打開のタイミングも崩すことができるため、抑えのワンピックはロングDPSの性能を最大限に発揮できる仕事と言えます。
抑えという敵がスペシャルを貯めて準備しているタイミングで、スペシャル使用前に敵を1発でキルできるか?というのが、ロングDPSの実力の1つという事です。この実力は「抑えワンピックの回数」で計測できます。
抑えワンピックの回数が多いほど、ロングDPSとしての仕事量が多いという事になります。
航空制圧
次に、敵のロングDPSに対して圧力をかけ、キルを獲ったり機能不全にしたりするのも、ロングDPSの重要な仕事になります。(これを航空制圧と呼びます)
これは言い方を変えると、「空の戦いで負けてはいけない」という風に言えるかもしれません。
簡単に言ってしまえば、戦場においてロングDPSは「飛び道具」的な役割を持っています。
そして、航空制圧に成功するというのは、「敵チームのミサイルや大砲を潰して、一方的にこちらだけ飛び道具が使える状態にする」という意味です。当然、味方のDPSやその他の歩兵は、飛び道具を気にしなくて良くなるので、非常に戦いやすくなります。
逆に、敵チームは飛び道具を常に気にしながら、目の前の歩兵とも戦わなくてはいけないため、ゲーム全体を通じて厳しい戦いになっていきます。それくらい、ロングDPS同士の優劣は戦局に大きな影響を与えるのです。
敵のロングDPSに撃ち勝って、敵チームの飛び道具を無効化できるか?というのがロングDPSの実力の1つという事です。この実力は「対ロングDPSのキル数」で計測することができます。
このキル数が多いほど、ロングDPSとしての仕事量が多いという事になります。
ロングDPSの理想リザルト
ロングDPSロールが適切に仕事をした場合、必ず数字に反映されるのはDPSと同じく「キル数」になります。
キル数に関しては打開ワンピックが1~2回、抑えワンピックも1~2回、対ロングDPSキルが2~3回程度と考えると、少なくともアシスト抜きのキルで8キル以上は必要です。
ロングDPSも、DPSと同じく「キルの質」を求められるロールであり、特に「不利状況を覆す」「有利状況を強化する」という風に、勝負がどちらかに傾きそうなシーンでのキルが、性能を発揮するために重要になります。
これはヤバいかも・・・という状況に「打開ワンピック」で反撃のきっかけを作り、ここで1キル獲れば一気に有利になる・・・という状況には「抑えワンピック」で勝利のきっかけを作る。
そして、敵にロングDPSがいる場合には、常に圧力をかけ続けて機能不全にし、フィールド全体の制空権を奪うことで味方が戦闘しやすい戦場を創り出す。
このように、試合の「優勢 or 劣勢」を決定づけるようなシーンや環境において「キル」によって優勢条件をたぐり寄せて、敵チームを機能不全にし続けるのがロングDPSロールに求められる仕事内容です。
これは、攻めにも守りにも大事なシーンには全て参加して、試合の流れを優勢に変えるきっかけを創り出す「ゲームチェンジャー」のような役割だと言っていいでしょう。
サッカーなら、圧倒的なフィジカルと予想能力によって敵のロングパスを全てはじき返す上に、攻めのコーナーキックやフリーキックなどでもヘディングやロングシュートで得点に絡んで活躍してしまうディフェンスプレイヤーみたいなイメージです。
逆に、ゲームがあまりに不利状況に傾きすぎると、「ゲームチェンジ」をするきっかけが創れないまま負けになってしまうことがあるため、ロングDPSロールは性能を発揮しづらくなっていきます。
- 不利状況に傾きすぎる前にワンピック入れる
- 自分はリスク管理を徹底し、相手のリスク管理の失敗は見逃さない
- 制空権の確保によって戦場を支配し続ける
そのために、「敵全員の位置を常に把握し続け、キル範囲内に誘導した敵を確実に倒す」というプレイスタイルをイメージしましょう。
③フィニッシャー
フィニッシャーは
- 機動力が高い
- カバー性能が高い
- 塗り性能がある程度高い
- 1対1性能が低い
という特徴を持っている武器が該当します。(DPSとロングDPSのどちらにも明確に該当しない武器は、全てここに該当すると言ってしまっていいでしょう。)
フィニッシャー武器は基本的に機動力が高く、味方と交戦中や交戦後の「ダメージを負った敵」に駆けつけて「追加ダメージ」を入れやすい性能を持っています。
キル性能や対面力に関してはDPSに劣るため、1対1の局面では仕事をしづらくなりますが、機動力とカバー性能によってあらゆる対面に「2人目の味方」として駆けつけることができ、味方と戦っている敵に「横から」ダメージを入れることでキルを獲ることができます。
この「駆けつける」ためには、機動力の源泉となる「塗り」を創っておく必要があるため、フィニッシャーロールは塗りに関しても平均点以上であることが求められます。
人気武器だと
機動力寄りのフィニッシャー▼
- スプラシューターベッチュー
- N-ZAP85(黒ザップ)
- デュアルスイーパー
- シャープマーカーネオ
- L3リールガンD
- おちばシューター
カバー性能寄りのフィニッシャー▼
- 96ガロン
- バケットスロッシャー
- スプラスピナー
- ラピッドブラスターベッチュー
などが該当しています。(多少機動力や塗りが弱くても、メインの当たり判定やダメージ量が大きかったり、射程とサブスぺによるカバー性能の高さによってフィニッシャー運用が可能になる場合があります。)
フィニッシャーの仕事イメージ
フィニッシャーの仕事の中心も、他の攻撃ロールと同じく「キルを獲ること」になります。射程で言えばDPSに似ていますが、DPSと比べると
- 「ポジションの自由度や範囲が広い」
- 「有利な対面状況を作れること自体が強みである」
- 「1対1の局面では決して強くない」
という特徴があり、これによって運用イメージが変わります。
基本的には、常にキルを狙い続けるような意識ですが、DPSのように「意表を突く」「常に敵の意識の外にいる」「一瞬で仕留める」ようなイメージではなく、「持続的かつ広範囲に、できるだけ多くの戦闘に後出しじゃんけんで駆け付けてキルを獲る」というイメージになります。
DPSのように
- どこにいるか分からないから怖い
- いると思ったところにいない、いないと思ったとこにいる
というよりは、フィニッシャーは
- どこにでも現れるから強い
- あっちにいたと思ったのに、なぜかこっちにもいる
というような立ち回りが強みになります。
常に戦闘が発生しそうな位置を予想し、移動ルートを確保し続けておくことで、特にエリア周辺で発生する1対1の局面に関しては全てに後出し参加する意識を持ち、中央の人数有利を維持し続けるような運用イメージです。
味方をアシストやカバーできる位置にいないと性能が全く発揮できなくなるため、常に味方の位置を意識して「カバー範囲内」にポジションを調整したり、移動のための塗りを事前に作っておく事が重要です。
フィニッシャーの専門ジョブ
上記の「広域のカバー範囲を確保し続けることで、できるだけ多くの戦闘に後出し参加してキルを獲る」という基本ムーブに加えて、さらに「フィニッシャー系武器の特徴を最大限に活かした仕事」を3つ紹介します。
- 戦闘中の味方に駆けつけて、味方がデスする前にキルを獲って人数有利を創る(アシストキル)
- 味方がデスしても、ダメージを負った敵を追い討ちしてキルを獲ることで人数不利を創らない(カバーキル)
- 自陣(ホーム)に侵入した敵を、味方と挟み込む形で処理する(自陣処理)
の主に3つになります。
アシストキル
まず、戦闘中の味方がデスする前に駆けつけて、味方と一緒に局所的な人数有利を創り出してキルを獲るのがフィニッシャーの重要な専門ジョブの1つです。(これをアシストキルと呼びます)
フィニッシャー武器は1対1のキル性能が高くないため、敵と正面から真っ向勝負するとほとんどの場合撃ち負けてしまいます。
しかし、代わりに高い機動力とカバー性能を持っているため、近くで発生した戦闘に駆けつけて、自分以外と戦っている敵を横から殴る時に、武器の性能が最大限に発揮されます。
機動力とカバー性能を掛け合わせた「カバー範囲」の広さによって、数秒単位の差で様々な場所で発生する「局所的戦闘」の全てに参加してアシストキルを獲ることができ、これは他のロールでは絶対に実現できない仕事内容と言えます。
主にエリア周辺を中心に、幅広い範囲で発生する「1対1局面」にできるだけ多く参加し、味方がデスする前に敵を横から殴ってキルできるか?というのが、フィニッシャーの実力の1つという事です。この実力は「アシストキルの回数」で計測できます。
アシストキルの回数が多いほど、フィニッシャーとしての仕事量が多いという事になります。
カバーキル
次に、味方が戦闘でデスしてアシストキルが間に合わなかった場合に、ダメージを負った敵を追撃することでキルを獲ってチームとしての人数をイーブンに保つのも、フィニッシャーの重要な仕事の1つです。(これをカバーキルと呼びます)
正直に言って、理想は全ての戦闘に対して、味方がデスする前に駆けつけて「アシストキル」することです。
しかし、実際には駆けつける前に味方がデスしてしまう事もあります。その場合に、味方がデスした事実を「敵の位置が分かった」「敵がダメージを負った」という「情報トレード」として活用し、自分がその敵をキルすることでチームとして人数不利を創らないようにするわけです。
これも、カバー範囲が広いフィニッシャーにしか務まらない仕事と言えます。
味方の対面負けという失敗を、敵位置の把握やダメージという「情報」として活用し、迅速に駆けつけてキルに変換できるか?というのが、フィニッシャーの実力の1つという事です。この実力は「カバーキルの回数」で計測できます。
カバーキルの回数が多いほど、フィニッシャーとしての仕事量が多いという事になります。
自陣処理
最後に、自陣側に侵入した敵に対して、率先して対応して居場所をあぶり出したり、味方と挟み込んだりする形で確実に処理するのが、フィニッシャーの重要なジョブの1つになります。(これを自陣処理と呼びます)
攻撃ロールは3種類に分類していますが、DPSやロングDPSは機動力的に手前に入ってくる敵を処理しづらい性質があります。
そのため、フィニッシャーが意識的に自陣に入ってきた敵に対応しないと、対応できる攻撃ロールがいない状態になってしまいます。
ただし、フィニッシャーロール自体がそこまで対面力が高くない場合が多いため、1対1で対応しようとするのではなく、死なないように対応をして敵を下がらせたり、味方に気づいてもらって一緒に挟み込んで処理をするのが重要です。
ここで対応に失敗してフィニッシャーロールが簡単にデスしてしまうと、むしろ対応できる攻撃ロールがいなくなって状況が悪化します。最悪の場合、そこから自陣側で味方が連続デスして一方的な展開になる事すらあります。
そういう意味で、自陣処理の成功率はフィニッシャーの専門ジョブとして非常に重要度が高いと言えるでしょう。
自陣側で暴れまわろうとしている敵に対して、リスクを最小限にしながら率先して対応し、味方のデスを防いで自陣の安全を確保できるか?というのが、フィニッシャーの実力の1つという事です。この実力は「自陣処理の回数」で計測できます。
自陣処理の回数が多いほど、フィニッシャーとしての仕事量が多いという事になります。
フィニッシャーの理想リザルト
フィニッシャーロールが適切に仕事をした場合、必ず数字に反映されるのは「アシスト数」「塗りポイント」になります。
攻撃ロールの中でも、フィニッシャーは性能を発揮すると「一緒に倒した数」が増える傾向があります。それはリザルトの「キル数」よりは「アシスト数」の方に反映されることになります。
極端な話、キル数が12で、そのほとんど全てが「アシスト」だったとしても問題ないどころか、フィニッシャーとしては非常に仕事をした事になります。ざっくり、アシスト込みのキル数が10以上になるのが最低限です。
そして、フィニッシャーが上記のキル数を獲ろうとすると、必然的に足場確保のための塗りが1500Pから1800Pくらいは必要になります。
つまり、5分間の試合で「10キル以上(アシスト多め)、1500P以上」くらいがフィニッシャーロールの目安KPIとなります。
DPSやロングDPSが「キルの質」を求められるロールだったのと比べて、フィニッシャーは「エリア周辺での持続的なキル」によって人数不利を作らないのが仕事なので、「キルの量」で評価されます。
この場合、横から殴ってキルが獲れそうなら一瞬の判断で戦闘に参加し、逃したなら深追いせずにすぐに別の参加できる戦闘を探していくような、「戦闘参加判断と切り替えの早さ」が重要です。
常に味方がデスする前に戦闘に駆け付けてアシストキルを獲り、味方がデスしても迅速に詰めてカバーキルを獲り、エリア周辺となるステージ中央部を人数有利で支配することで試合の主導権を握り続ける。
そして、自陣側に強引に侵入してきた敵には、徹底的にリスク管理をしながら丁寧に味方と処理して、主導権を守ります。
このように、相手チームに主導権を渡さないように中盤を支配し続けて、1.5人分くらいの運動量で戦闘に参加し続けることでキル数を重ねていくのが、フィニッシャーロールに求められる仕事内容です。
これは、試合の主導権を常に握り続けて相手のやりたいことを封殺し、こちらがやりたいことを通していく「ゲームメーカー(司令塔)」のような役割だと言っていいでしょう。
サッカーなら、驚異的な運動量と機動力を活かして、フィールドのあらゆる場所に顔を出し続け、常にボールの近くでプレイすることで味方の攻めの起点を創り、味方がボールを奪われそうになっても毎回こぼれ球を拾ってくれるような「中盤の支配者」のようなイメージになります。
逆に、フィニッシャーが機能していなかったり、簡単にデスしてしまうようなゲーム展開になると、チームとしての合計キル数が安定しなくなり、「DPSがキャリーできるか頼み」「ロングDPSが抑えワンピックできるか頼み」などの「博打のような試合展開」になっていきます。
- 味方が死ぬ前に駆けつけるためにカバー範囲を広げる
- 深追いしない、倒せる敵を迅速に倒しきる、倒せなかったら素早く別のところにカバーに行く
- 自チーム全体のミスを取り返し、有利状況を維持し続ける
そのために、「味方の位置を常に把握し続け、カバー範囲内でダメージを負った敵を素早く倒す作業を5分間続ける」というプレイスタイルをイメージしましょう。
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