最近、スプラトゥーンの基礎的な考え方や立ち回りについて考えています。
で、私なりに現段階での結論が出たので共有します。
ひとことで言うと。
そう、結局ものごとは「ひとことで言おうとしたときに本質が見える」という性質があります。
私はよくコンサルティングのシーンでも同じ技法を使うのですが、スプラトゥーンをひとことで言うと「どういうゲームか」「どういう立ち回りが必要か」という風に考えてみました。
で、結論は
武器性能を最大限に発揮した結果でキルを獲るゲーム
だという風に定義してみました。
述語は「キルを獲るゲーム」の部分なので、つまりスプラトゥーンはキルを獲るゲームだということになります。
キルなの?カウントじゃないの?
まず、この時点で「キルじゃなくてカウントでしょ」という風に考える人もいると思います。どちらも正解だとは思いますが、本来であれば「カウントを獲るためにキルを獲る」という順番のはずなので、むしろカウントを獲るゲームだという認識の方が正しいように感じます。
というか、私はこれまではそう考えてきました。
しかし、高レート帯に突入し始めてからは、「カウントを獲るゲームではない」という風に認識を改める必要を感じています。
厳密に言うと、「カウントを獲るゲームだが、カウントを獲ろうとしてはいけない。」というイメージです。
これは戦っている相手のランク帯で変わってくる話なのですが、そもそもスプラトゥーンは
- どうやったらカウントが進むのかを理解する
- カウントが進むために重要な行動を行う
という2つが重なって「判断」に繋がります。
で、ウデマエXくらいまでなら前者の「立ち回り」と呼ばれるゾーンの方が重要度が高いので、そちらをしっかり詰めていくだけでウデマエは上がっていきます。
しかし、あるレベルまで来ると、ほぼ全員が「カウントの進め方」については一定の理解量に到達します。
すると、その先の「カウントが進むために重要な行動を行う」の方が比重が高くなっていくのです。
ただ、この「カウントが進むために重要な行動が何か」というのは、基本的には「誰がどこにいるか」という「索敵量」によって決定する必要があります。
例えばガチエリアで、敵の打開に重要なスペシャルを持ったプレイヤーがどこにいるか?どこからどうやって打開しようとしているか?を把握して、抱え落ちさせることでカウントを進める。
これは、「そもそもガチエリアは敵の打開を潰すことでカウントが進む」「特に打開のカギになるスペシャルを持っているプレイヤーを抱え落ちさせることがカウントに繋がりやすい」などの「①立ち回り前提知識」が備わったうえで、さらに「どこにそのプレイヤーがいるか」「何をどのタイミングで狙っていそうか」などの「②索敵量」が備わっていて、初めてその後に「カウントが進むために重要な行動を行う」に繋がっているわけです。
このように、基本的に全ルールにおいて「カウントが進むために重要な行動を行う」の大前提に「敵位置と行動の把握&予測」という能力が必要です。
逆に言えば、その能力が高くなれば、自然とカウントが進むために重要な行動を選択できるわけです。
では、どうすれば「敵位置と行動の把握&予測」という能力が磨かれていくか?というと、それが「キルを狙う」という基本的な姿勢なのです。
スプラトゥーンとは「キルを獲るゲームだ」という風に定義をして、常にキルを狙っていく姿勢でプレイを繰り返すことで、「敵位置と行動の把握&予測」というスキルが伸びます。
そのスキルが「立ち回りの前提知識」とかみ合った時に、「カウントを進めるために重要な行動を行う」というプレイが「実行できるようになる」という話です。
結果的にキルが獲れていなくてもいいです。
重要なのは「常に索敵してキルを狙い続ける」というプレイスタイルが中心に存在しているか?という部分だと思います。
今、だれがどこにいるか?どれならキルを狙える可能性があるか?
というのを、常に意識の中心においてプレイし続ける中で、ところどころで「あ、今はあいつがあそこにいるからエリアを塗っておこう」とか「右に敵が多いから左からアサリを運んでしまおう」などの「オブジェクト管理」を挟み込むイメージです。
索敵キル狙い⇒索敵キル狙い⇒索敵キル狙い⇒オブジェクト管理⇒索敵キル狙い⇒索敵キル狙い⇒オブジェクト管理⇒・・・
くらいの分量で試合を行うのがちょうどよいと感じます。
イメージ、索敵キル狙いが8割くらいの時間、残り2割でオブジェクト管理という感じでしょうか。
これは、武器種や前衛後衛に関係なく、全員に共通している話です。
「武器性能を最大限に発揮した結果で」キルを獲るゲーム
で、そこにもうひとつ重要な要素があると考えています。
それが、「武器性能を最大限に発揮した結果で」の部分です。
これはつまり、各武器によって得意や不得意があるという話です。
同じキルを獲る工程でも、武器が違うと全く別の工程が必要になります。
キルを獲るまでの手順が違うというイメージですね。
重要なのは、その武器の得意なことを理解し、キルまでの道筋をしっかり描きながら、索敵状況に合わせて道筋を調整し、キルにつなげることです。
当たり前ですが、真正面からお互いに位置が分かっている状態でヨーイドンで撃ち合いを始めたら、射程やキル速が速い武器が勝ちます。
そこを、「その武器の性能を最大限に発揮する」ことによって、自分の有利状況にいかに持っていくか?というのが、プレイヤーの技量になるわけです。
例えば、「塗りが強い武器」があるとします。その武器は、「塗る」という行為を行っている時に、性能が発揮されていることになります。
じゃあずっと塗っておけばいいの?というと、そうではありません。
つまり、「塗ることで盤面を整理して、撃ち合いに有利な状況を作っていった」結果として、どこかで「キルを獲る」という風な「組み立て方」がその武器のキルの獲り方なのです。
このように、「その武器はどう組み立てを行っていくと、有利にキルを獲れる状況に繋がりやすいか」をしっかり理解して、丁寧に実践していくことがまず基本になります。
事例:ハイドラントカスタムともみじシューターが戦うという風になった場合、塗り状況が悪い中でまっすぐ向かっていくともみじシューターは一瞬で溶けてしまいます。なので、ちょこまか動き回りながら盤面を制圧して塗り状況をよくしていき、潜伏やスニーキングなどがしやすい状況を作って時間をかけて準備していく必要があります。そうやって、とにかく位置がバレづらい状況を作ることに時間をかけていき、最後に相手の撃ち終わりを狙ってロボットボムを後方に投げて一気に間合いを詰めて挟み込んでキルを獲る、などです。
詰将棋のような感じですね。
そして、環境武器とはこれらの「詰将棋」において非常に自由度が高いコマのイメージです。まっすぐしか進めない香車と斜めに動く桂馬だけで詰めるのは非常に準備と組み立てが必要になりますが、手持ちの駒が全部「竜」だったら、いくらでも詰め方のバリエーションが出てきますよね?
環境武器とは、そういう「どの相手に対しても詰め方のバリエーションが多く、工夫が必要ない」という武器を指します。
どうやって武器性能を最大限に発揮してキルを獲るか
さらに突っ込んだ話をします。
どうやって、武器性能を最大限に発揮してキルを獲るか?という部分です。
武器性能の理解と強みを伸ばすギア構成
まず、これです。
その武器は、何が強みなのか?その武器での詰将棋のパターンはどういったものがあるのか?をできるだけ正確に、バリエーション豊かに理解する必要があります。
さらに、ギアをその強み部分を補う形で構成することです。(弱みを補うのは愚策です。)
これにより、とがった個性を持った武器になり、詰め方のバリエーションが明確にイメージしやすくなります。
とにかく、同じ武器を使っている上手いプレイヤーのキルシーンを見まくりましょう。その際に、キルの瞬間ではなく、「どういった詰将棋を行った結果として、どんな武器性能が発揮されてキルが獲れているのか」という視点で見るのが重要です。
こんな勉強会を仲間と開いてもいいですね!
自分の持ち武器に関しての、「強み」と「キルまでの組み立て方のバリエーション」を文章で整理してみるのも価値のある行為です。
複数のプレイヤーでレポートを作成して、持ち寄って意見交換すれば一気に視野も広がるでしょう。
武器性能を発揮しやすいポジションの理解と活用
次に、性能を発揮しやすいポジションの理解です。
BOXの周辺で立ち回った方が性能を発揮しやすい武器もあれば、金網の上の方が強い武器もあります。
その武器での詰将棋のパターンを整理したうえで、各ステージにおける「基本的に性能を発揮しやすくなる場所」がどこか?について理解し、頭に入れてプレイすることが重要です。
強ポジなどと呼ばれますが、これが詰将棋における「定石」や「起点作り」になってくれるイメージです。
例えば短射程で足も遅い武器が、長い金網の上をうろうろしていたら、まず間違いなく打ち負けてしまうでしょう。
このように、「自分の詰将棋の勝ちパターンに登場しづらい場所」からは極力離れて、逆に「自分の詰将棋の勝ちパターンによく登場する場所」には頻繁に顔を出していくことによって、武器性能を発揮しやすくなります。
これも、勉強会を仲間と開くことで技量アップが見込めます。
自分の持ち武器に関しての「基礎的な強ポジ」と「各ステージでの該当ポジション」を文章で整理して、複数のプレイヤーでレポートを作成して意見交換したり、散歩してみるのがお勧めです。
ここまでをまとめると、
武器性能を最大限に発揮してキルを獲るためには
- そもそも試合中のほとんどの時間を「敵位置の把握と行動予測からキルを狙う」という意識で行うという前提の上で
- 持ち武器の武器性能を正しく理解して
- 強みを伸ばすギア構成にし
- その武器でキルにつなげていくための組み立て方をイメージできるようになり
- 基礎的な強ポジを理解し
- 各ステージでの該当ポジションをイメージしながらプレイする
という感じになります。
ただ、さらにもう一つ重要なことがあります。
誰となら有利に撃ち合えるか
上記までは、「自分の武器性能を発揮しやすい動きをする」という範囲でしたが、試合では実際には「相手がだれか」という要素も含まれてきます。
例えば、黒ザップだから人速が速いから金網の上でプレイしよう、と考えていたとします。しかし、撃ち合いに来た相手がL3リールガンだったらどうなるでしょうか?
相手も同じレベルで人速が速い上に、あちらの方が射程が長い武器ということになります。
しかし、相手がチャージャーやローラーだったら話は別で、強気で撃ち合ってよいでしょう。
このように、まずは「自分の詰将棋に登場しやすい場所を中心に立ち回る」のが前提とはいえ、「だれが相手か」によって一瞬で勝負するべきかどうかも判断しなくてはいけません。
単純に言ってしまえば、自分が強い場所を中心に戦うが、もっとその場所に強いやつにあったら迅速に逃げるのが重要なのです。
そのためには、編成を見た瞬間に「誰はどのあたりでプレイしてきそうか」「自分の強ポジで戦闘がおこりやすそうな相手は誰か」「その相手とは勝負できるか」などをイメージする必要があります。
そして、試合を進める中で相手の「ポジション取りの癖」を判断していき、詰将棋のバリエーションの中から、最適なムーブを選択していき、キルにつなげていくのです。
事例:例えばデボン海洋博物館のガチエリアで、自分がクーゲルシュライバーヒューを使っているので、天井上が強ポジだと考えていたとします。しかし、相手にリッターがいて、完全に射程で負けている状態になってしまいました。この場合、相手リッターが天井上に陣取ってきたら、戦うのは不利になってしまいますので、「別の強ポジで別の敵とじゃんけんをする」べきです。しかし、相手のリッターが天井上を陣取ってこない可能性もあります。その場合は自分が天井上に出るという選択肢もあり得ます。
このように、試合が始まった瞬間に「自分はどこで立ち回る予定か」「相手はどこで立ち回りそうか」を予想して、相手のポジショニングに合わせて「自分が有利なじゃんけんになるように動く」のが非常に重要です。
例えば、同じ武器2枚同士で2オン2をするなどの練習方法は非常に効果的でしょう。
クーゲルシュライバーヒュー2枚 VS スパッタリーヒュー2枚
などの2オン2をやってみると、お互いに「あの武器ならこうやってくるだろう、こんな組み立てで、この強ポジで勝負してくるはずだ」という詰将棋の予想能力が磨かれますし、味方の同武器と話しながら動きを真似したり参考にして自分の詰将棋の幅を広げることもできます。
まとめ
まとめると、
- 持ち武器の強みの整理レポートと強みを伸ばすためのギア構成レポート
- 持ち武器でのキルにつなげるまでの詰将棋のバリエーションパターンのレポート
- 持ち武器の基礎的な強ポジレポート
- 各ステージでの強ポジ該当箇所のレポート
- 編成とステージを見た瞬間での「想定される有利対面と不利対面」のバリエーションレポート
これらを作成して、同武器使いで持ち寄ったりして意見交換をするのは非常に有意義だという話でした。
コメント
初めまして。
いつも自分には無い切口で分析されたブログで興味深く読ませて頂いています。
結果論のみ端的に記した講座が多い中、こちらのブログは本質から徹底的に納得させてくれるので、自分の様なロジカルにしか理解出来ない人間には大変ありがたいです。
お忙しいとは思いますが今後も更新を楽しみにしています。
長文失礼しましたm(_ _)m