おはこんばんにちは
がくちょうです。
普段は世界で一番詳しくスプラトゥーンを解説しているので、是非上手くなりたい人はツイッターフォローよろしくお願いします↓
このページでは、スプラトゥーンという競技の中でも、「ガチルールの基礎」について解説していきます。
ガチルールとは
- ガチエリア
- ガチヤグラ
- ガチホコ
- ガチアサリ
の4ルールを指します。
ナワバリバトルについてはこのページで解説していませんのでご了承ください。
私が団長を務める「アタリメフルボディーズ」というゲーミングチームでは、「スプラトゥーンをチームスポーツとして楽しむ」というビジョンを掲げ、戦術の研究や大会の開催なども行っています。
興味がある方は是非下記をご覧ください▼
ガチルールの基本
まず、ガチルールとは一体どういった競技なのか?について、整理しましょう。
ガチルールにおける目的はたった1つしかありません。
それは
カウントを進めること
です。
そして、カウントを進めるためには必ず
オブジェクトを確保する
必要があります。
サッカーで
- ボールを保有して(オブジェクトを確保する)
- ゴールに入れる(カウントを進める)
のと同じです。サッカーで試合中1度もボールを保有しなかったら、(オウンゴールを除けば)絶対に点は入りませんし、勝てません。
つまり、ガチルールで勝つための行動は
オブジェクトを確保してカウントを進める
事だと明確に定義できます。
これを言い換えると、ガチルールで勝つための戦略は大きく
- どうやってオブジェクトを確保するか(ポゼッションするか)
- どうやってカウントを進めるか(得点するか)
の2つに分かれるという風に定義することができます。
これが、ガチルール4つに必ず共通する部分です。
どうやってカウントを進めるか
2つの戦略のうち、「どうやってカウントを進めるか」の部分をもう少し詳しく見てみましょう。
実はガチルールでは、カウントを進めるのはそんなに難しい行為ではありません。
- アサリを集めてきて、入れるだけ。
- ホコを持って、まっすぐ進むだけ。
- ヤグラには、乗ってるだけ。
- なんとエリアに関しては、放置しててOKです。
このように、ガチルールにおいては「カウントを進める行為自体」は非常に簡単です。
これは別に特別なことではありません。
フィールド球技では、すべて同じようなルールになっています。
サッカーでボールを持ったら、大体50メートルくらい進んでゴールに蹴り入れるだけです。バスケットもラグビーもバレーボールもラクロスもハンドボールもアイスホッケーも同じです。
では何故それが簡単にできないか?というと、
相手が邪魔をするから
ですね。
これは逆に言えば、
相手が邪魔しなければ、カウントを進めるのはとても簡単だ
という事を意味します。
スプラトゥーンにおける攻撃とは何なのか
整理すると、
①オブジェクトを確保しないとカウントは絶対に進まない
②オブジェクトを確保すれば、攻撃ターンになったチームは簡単にカウントを進められる
③防衛ターンになったチームは、本来簡単な行為を難しくする(防衛行動をする)必要がある
④攻撃ターンになったチームは、防衛行動の攻略(防衛行動の穴を見つけたり、裏をかいたり、防衛行動をしづらくするなどの行為)を行うことでカウントが進みやすくなる
という関係性になっています。
重要なのは、
スプラトゥーンにおける攻撃とは「敵の防衛行動の攻略である」という事を理解すること
です。
オブジェクトを確保したあとの行動はすべて、敵の防衛行動の攻略であるし、そうあるべきなのです。
敵をキルする、塗って足場を作る、スペシャルを使う、などもすべてが「敵の防衛行動の攻略行為」です。
だってそうでしょう?
極論、敵が全く防衛行動をしなかったら、それらは何一つ必要ないのですから。
つまりスプラトゥーンでカウントを進めるのが上手いというのは、敵の防衛行動の攻略が上手いという事です。
逆に言えば、敵の防衛行動について詳しくならないと、カウントを進めるのも上手くならないという事でもあります。
↑めちゃくちゃ重要なことです。
これを必ず理解しましょう。
スプラトゥーンにおける防衛行動とは何なのか
- ガチルールで勝つとはオブジェクトを確保してカウントを進めること
- カウントを進めるとは敵の防衛行動を攻略すること
という話をしてきました。
これをまとめると、
ガチルールで勝つとは、オブジェクトを確保して敵の防衛行動を攻略することである
と定義できます。(非常にMECEに定義できている気がします)
次に、「防衛行動」の部分を詳しく見ていきたいと思います。
防衛行動とは言い換えると「カウントを止めること」と表現できます。
では、どうすればカウントは止まるでしょうか?
- エリアは、エリアを塗り返せば止まります。
- ヤグラは、ヤグラの上から敵を排除すれば止まります。
- ホコは、ホコ持ちをキルすれば止まります。
- アサリは、自陣ゴールにアサリを一定時間入れさせなければ止まります。
この4つは、一見するとバラバラに見えますが、共通している部分があります。
それは、
「オブジェクトの射程範囲内に立つ必要がある」
という事です。
スプラトゥーンには「射程」という概念があるため、上記の4つの行為は基本的に全て「オブジェクトに射程が届く範囲内」で行う必要があるのです。
つまり
- 防衛行動とはカウントを止めること
- カウントを止めることとはオブジェクトの射程範囲内に立ってカウントを止めるための行為をすること
だと言えます。
まとめると、
防衛行動とはオブジェクトの射程範囲内に立ってカウントを止めるための行為をすること
という事になります。
では、こう定義した時に、「防衛行動の攻略行為」とは何を指すでしょうか?
スプラトゥーンにおける防衛行動の攻略とは何なのか
防衛行動が「オブジェクトの射程範囲内に立ってカウントを止めるための行為をすること」であると定義できました。
この、「カウントを止めるための行為が可能なオブジェクトの周辺位置」を防衛ポジションと呼びましょう。
すると、攻撃=防衛行動の攻略とは「防衛ポジションを敵に利用させないこと」だと定義できます。
この防衛ポジションは、
- オブジェクトがどこにあるか
- 敵の武器が何か
- 敵の位置がどこか
によって変わっていきます。
つまり、
「敵の武器編成」「敵の位置」「オブジェクトの位置」の3つの要素から、「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション」を予想し、その防衛ポジションを敵に利用させないこと
これが、防衛行動の攻略の内容となります。
ここまでの定義を全て繋げます。
ガチルールで勝つとは、オブジェクトを確保して、「敵の武器編成」「敵の位置」「オブジェクトの位置」の3つの要素から、「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション」を予想し、その防衛ポジションを敵に利用させないことである
これが、ガチルールというものを因数分解した結果になります。
スプラトゥーンの基礎能力
ここまでの定義から、スプラトゥーンで必要な基礎能力が何かも見えてきます。
ガチルールで勝つとは、オブジェクトを確保して、「敵の武器編成」「敵の位置」「オブジェクトの位置」の3つの要素から、「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション」を予想し、その防衛ポジションを敵に利用させないことである
のであるならば、ガチマッチで勝つために必要な能力は
- オブジェクトを確保する能力
- 「敵の武器編成」「敵の位置」「オブジェクトの位置」の3つの要素から、「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション」を予想する能力(精度)
- 防衛ポジションを確保する能力
の3つに分類可能です。
i made it!
ついにスプラトゥーンの基礎というものが明確に定義できました。
ではさらに、3つの能力について分解していきましょう。
オブジェクトを確保する能力とは何なのか
1つ目の能力、「オブジェクトを確保する能力」とは何なのか。
これを分解するにはそもそも、「どうすればオブジェクトを確保できるか」を知る必要があります。
これは各ルールで少しずつ違ってきますが、基本的に全ルール共通で
2人以上の人数有利を作ること
というのが最も一般的な手法になります。
それ以外にも特殊な手法として、
- エリア:編成で塗り勝てる場合に強引に塗りで確保⇒ずっと塗り勝つ
- ヤグラ:シェルター系やスピナー系で強引に乗る⇒ずっと乗り続ける
- ホコ:カーリングボムやイカ速等で強引に奪う⇒そのまま進む
- ホコ:サイドゾーン潰しやセーフティーゾーン運用で安全性を高める
- アサリ:センニュー割り、キョーコー割りなどで強引に割る
などの戦術手段も存在します。
(詳しくは各ルールごとのページで解説しています)
つまりオブジェクトを確保する能力は、
- 人数有利を作る能力
- ステージとルールごとの有効戦術の把握と戦術行使の判断力
の2つだと言えます。
ただし、戦術は「人数が不利な時にはほとんど実行不可能」なものが多いです。
そのため、戦術について共有できないガチマッチでは、「自分だけが戦術の実行を狙っている間に、味方がデスして戦術そのものが実行できない」という状態に高確率でなります。
それを避けるために、ガチマッチでは戦術の把握や実行よりも圧倒的にキル能力の方が優先度が高いという風に考えておきましょう。
加えて、「自分からキルを狙う=自分の力で人数有利を作る」という意識で常にプレイをすることは、次の能力である「敵位置の予想」にも大いに必要です。
極論、試合を通じてキルで自分が常に圧倒し、2人以上の人数有利状況を作り出していれば、相手はほとんどオブジェクトを確保できません。
4人リーグマッチや大会などのチームプレイの場所以外は、
- オブジェクトを確保するためには自分で2人以上キルを獲る必要がある
- 全力でキルを狙っても人数が均衡するような場合のみ、戦術を実行する
という意識でプレイするべきです。
逆に、チームプレイになるほどキルに依存しない戦術が実行できるようになるため、戦略ゲームとしての面白さが何倍にも膨らんでいきます。
スプラトゥーンは、基本的に4人でやっていなければゲームの魅力の10%も体験できていません。
私が団長を務める「アタリメフルボディーズ」というゲーミングチームでは、「スプラトゥーンをチームスポーツとして楽しむ」というビジョンを掲げ、戦術の研究や大会の開催なども行っています。
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有効防衛ポジション予想能力とは何なのか
次は、2つ目の能力です。
「敵の武器編成」「敵の位置」「オブジェクトの位置」の3つの要素から、「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション」を予想する能力(精度)
というと長すぎるので、「有効防衛ポジション予想能力」と表現します。
これは、自チームがオブジェクトを確保した後に発揮される能力です。
どの位置から誰がどんな防衛をしてくるのが、最もカウントを止める確率が高いか?を常に予知できれば、最も成功確率が高い防衛行動を潰し続けることができます。
例えばですが、
敵が残り2人の状態で、ホットブラスターが3秒前に復帰したはず。そしてヤグラは第二関門にもうすぐ到着するタイミングだから、この角度からホットブラスターがこのタイミングで顔を出してヤグラを攻撃してくるはずだ。だから先に自分はこの位置に入ってここにエイムを合わせておいて、顔を出した瞬間に倒そう。
などがケーススタディとなります。
もしこんなことができたら、それは強いと思ったことでしょう。
しかし、上位帯と呼ばれる方々の配信を見てもらえれば分かりますが、彼らは全員このような予知とも呼べる行為を当たり前のように行っています。
この「有効防衛ポジション予想能力」には2つの側面があり、
- そもそも予想自体ができるか
- 試合中に予想を実行できるか
の両方を意識して身に付ける必要があります。
例えば、ビデオを一時停止しながら座学で予想能力を身に付けても、試合中に動き回ったり敵と対面したりしながら、同じように予想を実行できるか?は別の話です。
そのため、有効防衛ポジション予想能力は
- 画面を見なくてもキャラクターが自由自在に操作できる能力(キャラクター操作に脳内リソースをほとんど使わない状態になっているため、予想に脳内リソースを回せる)
- 有効防衛ポジションを精度高く予想できる能力
という2つだと言えます。
防衛ポジションを確保する能力とは何なのか
最後に3つ目の基礎能力が、「防衛ポジションを確保する能力」です。
有効防衛ポジションを予想しても、その位置を確保できなければ意味がありません。
ここで知っておくべきなのは、
先に準備して待っている方が圧倒的に強い
という事実です。
そのため、防衛ポジションを確保する能力の大部分は
先にそのポジションに入れるか
に依存します。
ホコとアサリはオブジェクトの位置が頻繁に変わるため、同時に有効防衛ポジションもすごいスピードで変わってしまいます。
そのため、機動力が無い武器だと「先に有効防衛ポジションに入る」というのを実行しづらくなります。
- このタイミングではここで守った方がいい
- このタイミングではここを崩した方がいい
と正しく予想できたとしても、そこにポジショニングすることが物理的にできないことが多くなるわけです。
逆に、エリアとヤグラはオブジェクトの進行がゆっくりで、かつ有効防衛ポジションがそもそも少なくて限られているため、機動力がない長射程武器でもすぐに有効防衛ポジションを確保できます。
先に有効防衛ポジションに入ってしまえば、基本的には射程が長い方が有利なので、エリアとヤグラは長射程が強いわけです。
もちろん、先にポジショニングできたからと言って、絶対に維持できるわけではありません。
スピードやエイム、ステージ構造やスペシャルの使い方などで、待ち構えている敵の予想を上回ることができれば、有効防衛ポジションを強奪することも可能です。
そこが、キャラコンとエイムと呼ばれる技術の出番です。
まとめると、防衛ポジションを確保する能力は
- 敵より先に防衛ポジションに入る能力
- キャラコンとエイムで防衛ポジションを強奪する能力
の2つに分類できます。
スプラトゥーンの基礎能力のまとめ
つまり、スプラトゥーンの基礎能力とは
- オブジェクトを確保する能力
- 人数有利を作る能力
- ステージとルールごとの有効戦術の把握と戦術行使の判断力
- 有効防衛ポジション予想能力
- 画面を見なくてもキャラクターが自由自在に操作できる能力
- 有効防衛ポジションを精度高く予想できる能力
- 防衛ポジションを確保する能力
- 敵より先に防衛ポジションに入る能力
- キャラコンとエイムで防衛ポジションを強奪する能力
という風に体系化できます。
スプラトゥーンが上手くなる方法
さて、ここまでを踏まえて最後にこのページでは、
スプラトゥーンが上手くなる方法
についても体系的に整理したいと思います。
スプラトゥーンが上手いというのはとてもあいまいな言葉です。
なので、ここでは明確に
スプラトゥーンが上手い=ガチルールで勝つのが上手い
という意味だと定義します。
では改めて、ガチルールで勝つのが上手くなる方法は何でしょうか?
それがまさに、このページで説明してきたことなのです。
つまりあなたがスプラトゥーンが上手くなりたいのなら、先ほど紹介した
- オブジェクトを確保する能力
- 有効防衛ポジション予想能力
- 防衛ポジションを確保する能力
の3つの力を伸ばせばよいという話になります。
では、どうすれば3つの力を伸ばせるでしょうか。
ここからは、基礎編と実践編に分けて解説します。
スプラトゥーンが上手くなる方法<基礎編>
まずは基礎編です。
基礎編では、技術や練習方法の前に重要なことを説明します。
基礎① まずは現状を正しく把握できる環境を整える
もしあなたがスポーツをやっている人なら分かると思います。
本気で上手くなりたいのなら、自分の現状を正しく把握することが最優先で重要だということを。
- 自分は何ができていて、何はできていないのか?
- 自分の得意なことは何で、苦手なことは何なのか?
- どういった練習をして、どんな能力を伸ばすべきなのか?
あなたはこれを正確に言えますか?
上記を把握するためには、絶対に「録画」と「見直し」が必要です。
あなたが天才なら録画と見直しは必要ありません。
しかし、凡人なら絶対に録画と見直しが必要だと考えてください。
凡人が天才に対抗する唯一の手段が「PDCAサイクル」です。
正しく現状を把握(CHECK)できれば、絶対に物事は改善していけます。
感覚ではなく、客観的に冷静に振り返りを行う時間を作るのが上達の最優先事項だと考えましょう。
基礎② 集中してスプラトゥーンをやる時間を作る
さて、録画環境を整えたら、さっそく自分のプレイを見直して、、、と言いたいですが、まだです。
次に重要なのは「集中力の均一化」です。
実力というのは、コンディションによって大きくぶれます。
自分のプレイを録画してチェックしていても、
- 集中力がゼロで実力の10%しか発揮できていない試合
- 集中力が高くて実力の120%が発揮できた試合
がバラバラに混ざっていては、まともな振り返りができません。
そういう状況を放置するから、
- 「この試合は調子が悪かった」
- 「この試合はエイムが良かった」
などの無意味な振り返りばかりになるわけです。
サッカーなどのリアルなスポーツの場合は、練習時間が最初から限られている場合が多く、さらにウォーミングアップなどを行って身体を動かしながら練習するので、必然的に集中力が高まりやすい性質があります。
反対に、スプラトゥーンなどの「Eスポーツ」というジャンルは、
- 練習時間が不明瞭
- ウォーミングアップや休憩など身体のケアもしない
- 練習中に身体も動かさないし言葉も発しない
など、圧倒的に集中力に対するケアが乏しいという特徴があります。
特にガチマッチではこれが顕著で、突然思い付きでゲームを起動し、何も考えずにぼーっとしながらガチマッチをやっている時間が長くなりがちです。
だから上手くならないのです。
だから、上手くならないのです。
だ・か・ら、上手くならないのです。
あなたがもしスポーツのコーチをやっていて、指導中の選手が上記のような練習への取り組み態度だったら何と言いますか?
「練習中は集中しろ」
と言うでしょう。
この言葉を「上手くなりたい」とか言いながら、集中力に注意を払わずにダラダラとガチマッチをやっているあなたにそのまま贈ります!
大切なのは、
スプラトゥーンの「練習」をやっている間、集中力を一定以上に保てるような環境を整えること
です。(遊びでスプラトゥーンを一切やるな、という意味ではありません)
そのために、
- 練習時間をスケジュールする
- ウォーミングアップや事前のイメージトレーニング、課題の設定を行う
- 身体を動かしたり、コミュニケーションを取ったりして集中力を維持する
などの工夫が必要です。
私が団長を務める「アタリメフルボディーズ」というゲーミングチームでは、「スプラトゥーンをチームスポーツとして楽しむ」というビジョンを掲げ、チーム内で様々な環境を用意しています。結果として、ウデマエが何段階も伸びた人が続出(というか大半が伸びます)しているので、興味がある方は是非下記をご覧ください▼
基礎③ 上手くなった後の目的を考える
環境を整えたら、最後に「上手くなった後の目的」を考えましょう。
よく勘違いされていることですが、
- 技術
- 時間
- お金
などは、それ自体を増やすことに価値はありません。
もちろん最初の頃は「技術が伸びているから楽しい」という段階がありますが、ある程度までくると必ず「頑張っても伸びなくなる」からです。
その「楽しく努力しているだけで伸びる部分=成長期」が終わったら、そこからは「苦しい練習」が始まります。
そうなると、練習=技術を伸ばすこと自体が辛い時間になってしまい、根本的な矛盾が発生してしまいます。
人間は「辛いこと自体を目的」にして、行動し続けることはできません。だから、
「上手くなる=技術を身に付ける=つらい練習をすること」の先に、ちゃんと報酬となる目的がないといけない
のです。
そして、大量の人材育成をしてきた経験から言って、ほとんどの人にとっての「ちゃんと報酬になる目的」というのは
- 誰か特定の人に認めてもらうこと
- 誰か特定の人に褒めてもらうこと
- 誰か特定の人に感謝されること
という3段階になっています。
もし、ウデマエXになるという目的を立てているとしたら、それは①の「誰かに認めてもらう事」が目的だと言えます。しかし、それが「ツイッターで報告してちょっと見知らぬ人にいいねしてもらう」くらいの報酬なら、そもそも報酬が弱い可能性が高いです。
アタリメ団内でも、
- マンツーマンでコーチについてもらって、大会で成果を出すために努力した
- 大会でどうしても勝ちたくて、メンバーのために練習を頑張った
などのモチベーション設計の人の方が、圧倒的にウデマエが上がりやすい傾向があります。
もしあなたがスプラトゥーンがつらくなっているとしたら、それは正しい目的の設計ができていない可能性が高いです。
自分は上手くなって、その技術を誰のために使いたいのか?誰に評価してほしいのか?それで自分は本当に心から喜びを感じられるか?
などを考え直してみると良いでしょう。
スプラトゥーンが上手くなる方法<実践編>
続いて、実践編です。
実践編では、そもそも「スプラトゥーンが上手くなる」というのを2つの要素に分類して考えていきます。
- 勝ち方が分かっている
- イメージ通りにプレイできる
の2つです。
まず重要なのは、
どうすれば勝てるかがイメージできているか?
という部分です。
このイメージが無いと、勝っても負けても「運」という事になってしまい、振り返って改善することができません。
これまで200名以上のサンプルを見てきましたが、ほとんどのスプラトゥーンプレイヤーは、この「イメージがないせいで勝っても負けても原因を分析できない」という状態になっています。
負けても、なぜ負けたのか自分自身で分からないため、ストレスだけが溜まって一向に前進できません。
どうしたら勝てるか?を先にイメージすることで、負けた時に
- イメージが間違っていたのか
- イメージ通りにプレイできなかったのか
という風に原因を特定して改善していけるようになります。
一流のスポーツ選手は当たり前のようにイメージトレーニングを常日頃から行い、「良いイメージ」「勝てるイメージ」を頭の中に醸成しています。
人間は、頭の中にイメージが無い動きをスムーズに再現することはできません。
だから、良いプレイをしたいなら必ず先に「良いイメージ」を頭の中に作らなくてはいけないのです。
ただし、完璧なイメージを持っていたとしても、実現できなければ意味はありません。
だから、2つ目は「イメージ通りにプレイできるか」という要素が重要になります。
精確な勝てるイメージがあり、そのイメージ通りにプレイできれば勝てる
という基本的な構造をまずは理解してください。
この「イメージを創る」と「実行能力を高める」というループをうまく作っていくことで、スポーツというのは効果的に実力を伸ばしていくことが可能です。
では、ここからは実践編として、どのような手順で練習をしていけばよいか?を解説していきます。
対象として、既にガチマッチをある程度はプレイしたことのある人を想定しています。(スプラトゥーンを買ったばかりでガチマッチが0試合の方は対象にしていません)
ちなみに、既にウデマエが高いレベルにある人も、武器を持ち換えた際には下記と同じ手順で習得率を高めることができます。
実践① 武器を絞ってナワバリバトルで塗りポイント20万ptまで塗る
まず、「実行能力を高める」という部分から着手します。最低限の実行能力すらない状態で実戦に向かうのは時間の無駄です。
その「最低限の実行能力」というのが、武器の塗りポイント20万ポイントです。
重要なのは「武器ごとの塗りポイント」という視点です。
スプラトゥーンというゲームは
- ステージ構造が複雑で立体的
- 武器の種類が多くてそれぞれが全く別の性能を持っている
という特徴があり、どちらかというとFPSやTPSジャンルよりMOBAと呼ばれるゲームジャンルに近い性質があります。
簡単に言えば、「武器ごとに熟練度を高めないといけない」というゲームであり、一流のプレイヤーも全く使っていない武器を持つと素人同然になってしまいます。
そのため、まずは使用する武器を1つに絞ってしまわないと、熟練度が全く伸びないので勝率も上がらないという現象が起きます。
もし武器迷子になっている人がいたり、初心者でどの武器からスタートさせるのが良いか悩んでいる人がいたら、
- NーZAP85(通称黒ザップ)
- スプラシューターコラボ(通称スシコラ)
- スプラシューターベッチュー(通称スシベツ)
の3つのうちどれかを選択するのがお勧めです。
この3つは、サブとスペシャルが汎用性が高く、武器本体の性能も非常に平均的で安定しています。
良くも悪くも、強烈な特徴が無いので、基本を学ぶのに最も適しています。
もちろん自分が好きな武器や気に入った武器があるならそちらでOK。
とりあえず、1つに絞ってナワバリバトルで20万塗りポイントに到達するまでひたすら塗りましょう。
これで、
- どれくらいでインクが切れるか
- どの辺にいると死にづらいか
- どういった動きをすると死ぬか
- どの武器と戦うと勝ちやすい、負けやすいか
- 効率のよい塗り方や移動の仕方
などの基礎を覚えます。
この「使用する武器の基礎が最低限身に付いている」というのが絶対に避けられない最初の一歩です。まずはこれで、実行能力を一定のレベルまで高めます。
実践② 防衛ポジションを丸暗記する
実行能力を最低限まで高めたら、次は「イメージを創る」ほうに着手します。
ガチルールで勝つためのイメージの基礎になるのは、前述したように
- オブジェクトを確保して
- 「今この瞬間に最も有効に機能する防衛ポジション(有効防衛ポジション)」を予想して
- その防衛ポジションを敵に利用させない
という3つの手順です。
例えば上記をガチエリアで具体化すると、
- 初動ポジション(試合が始まったら、こんな動きでここに入って敵と戦う)
- エリア確保後のポジション(エリアを獲れたら、すぐにここに移動してこんな風にプレイする)
- エリアを確保された後のポジション(エリアが獲られたらここからこんな動きをしてエリアを取り返す)
というような感じでイメージを創ることができます。
今から重要なことを言います。
この「イメージ創り」に関して知っておくべきなのは、
防衛ポジションの数はそもそも非常に少ない
という事実です。
スプラトゥーンは
- 武器の射程が全体的に短い
- 足元を塗らないと近づけない
という2つの特徴があるため、
- 物凄く遠くから狙撃することはできないが
- 遠くから足元を塗りながら近づいたらバレバレで返り討ち
という防衛ジレンマが発生します。
結果として、
いつでもどこからでも防衛できる
というよりは、
このタイミングでこの位置かこの位置から防衛するしかない
という感じで、
防衛のタイミングと場所がほぼ限定されているゲーム
なのです。
そのため、
このタイミングで機能する防衛ポジションはココ
というのを最初に丸暗記しておくだけで、圧倒的に有効防衛ポジションが予想しやすくなります。
あらゆる場所から予想するのと、2つの選択肢のどちらかを予想するのでは、全く難易度が違います。
なぜ有名配信者やトッププレイヤーが敵の位置を把握できるかというと、そもそもこの「防衛ポジションを完璧に記憶している」からなのです。
そこで、まずは座学で
このステージでオブジェクトがここにある時は防衛ポジションはココとココ
みたいな感じで、全部を丸暗記してしまうのが圧倒的に効率的です。
実践③ 武器種ごとに型をイメージする
防衛ポジションはそもそも数が少なく限られているという話をしました。
実はさらに、自分が使っている武器種によって、「強い位置」というのも限られています。
例えば、有効防衛ポジションが分かっていても、チャージャーで物凄く入り組んだ場所を確保し続けたり、ものすごく見晴らしの良い場所をパブロで維持したりすることはできません。
つまり、
- このステージでこのルールなら
- 有効防衛ポジションはこのタイミングならココとココで
- さらに自分の武器ならココにいた方がいい
みたいな感じで、実際にはほぼ1択と言っていいレベルまで正解の動きは絞り込めます。
ものすごく大事なので、もう一度言います。
スプラトゥーンは、いつ、どこで、何をするべきか?については、ほぼ1択と言っていいレベルまでパターンを絞り込める(正解の動きが存在する)ゲームです。
もちろん正確に言えば味方や敵の動きは毎回違うため、「正解は1つではない」のですが、理論値で言ってしまえば
ルールとステージと編成が確定した時点で、限りなく正解に近い選択肢が存在している
のです。
これを、私は
ステージ×ルール×武器を組み合わせた場合の「勝ちパターンの型」
と表現しています。
剣道や空手などの武道をイメージしてもらえたら分かると思いますが、技術には必ず「型」というものが存在します。
実戦では型どおりになることは少ないにも関わらず、武術が型を大切にするのは、「型にはすべての応用技術に繋がる基礎が詰まっているから」です。
おそらくこれを読んでいる人の10割が、スプラトゥーンの型を身につけずにいきなり応用や実戦に挑戦しています。
まずは対戦相手の事は考えずに、一般的に最も有効で基礎的な動きを身に付けるべきです。
そのために、スプラトゥーンでもまずは
自分の武器での全ステージ×ルールにおける勝ちパターンの型
をイメージできるようになりましょう。
型のサンプルですが、
例えばヤグラの場合
- 初動ポジション(初動はこんな動きでここを確保する)
- 第一関門に到着した時のポジション(ヤグラが第一関門に到着した時にここをこんな風に確保する)
- 第二関門に到着した時のポジション(ヤグラが第二関門に到着した時にここをこんな風に確保する)
- 敵が第一関門に到着した時のポジション(敵のヤグラが第一関門に到着した時にここからこんな風に防衛する)
- 敵が第二関門に到着した時のポジション(敵のヤグラが第二関門に到着した時にここからこんな風に防衛する)
の5つを決めておくような感じです。
この「型」が、「勝てるイメージ」の基礎であり骨格となります。
ホコとアサリは非常に複雑なので、最初から取り組むのはお勧めではありません。エリアとヤグラの型をマスターしてから、本格的な練習に取り組みましょう。
この型をイメージしたら、必ずイラストや画像で可視化しておきましょう。
サンプル▼
実践④ 散歩でイメージトレーニングを行って収録する
自分の武器の勝ちパターンの型が可視化できたら、次は散歩でイメージトレーニングを行います。
敵がいないフィールドで、頭の中で試合が進んでいるようなイメージを持って1人で動き回ります。
初動→人数不利になった場合を想定した防衛ムーブ→打開のためのクリアリング→人数有利になった場合の攻撃ムーブ
という流れで、イメージトレーニングを行ってください。
うまくイメージトレーニングできるようになったら、「まるで実戦をしているかのように見える動画=イメージトレーニング動画」を収録します。
この時点で、「最低限の実行能力」と「勝てるイメージ」の両方を持ち合わせているはずです。
実践⑤ 実戦での勝ちパターンの型を動画化する
イメージトレーニングが終わったら、ガチマッチに実際に潜ります。
次の目標は、実戦でイメージトレーニング通りに勝てた試合の動画を入手することです。
なので、イメージトレーニング通りに動くことだけを考えてガチマッチに挑戦してください。
試合はすべて必ず録画します。そして、1試合だけでいいので
「事前にイメージトレーニングしておいた勝ちパターンの型通りに勝てた試合」
が録画できるまで頑張りましょう。
1試合だけでも録画できたら、この動画を繰り返し見ることでリアルな「良いイメージ」を頭の中に浸透させることができるようになります。
スプラトゥーンはステージとルールがめちゃくちゃ多いため、「良いイメージ」を頭の中だけに保存しておくことが不可能です。そこで、上記の工程でまずは1試合分だけでいいので「良いイメージの試合」を動画化し、保存しておきます。
これで、実際に試合に入る前にこの動画を見て、一瞬でイメージを頭の中に復帰させることができるようになります。
ここまでが終わると、
良いイメージを持って試合に入っていけるための準備
が完了です。
この動画を、全ルール×全ステージ分で制作するのが最初のステップです。
ただ、ガチルール4つ×23ステージで一気に創るのは難しいため、
- 最初はガチヤグラだけに絞る
- 当月のガチヤグラ該当ステージ8つだけで作る
というのがお勧めです。
理由は、ガチヤグラが4ルールの中で最もパターンゲームであり、なおかつ1人で勝たせられる可能性が高いルールシステムだからです。
これで、基礎が完了しました。
この先は、
- イメージ(立ち回り)をアップデートする
- 実行能力(キャラコン)をアップデートする
という2つを繰り返していくことになります。
このあとは、下記のページに具体的な練習方法を記載していますのでそちらをご覧ください。
おまけ:キャラコンの練習はナワバリバトルでやろう
詳しくはこちらの記事に書いていますが
負けた試合を見直して「キャラコンの上達が必要だ」という風に判断した場合、お勧めするスプラトゥーンのキャラコン上達方法が
ナワバリバトルのキルレシオを目標にする
という練習方法と
ナワバリバトルで特定の場所を維持し続ける
という練習方法です。
例えばですが
- 3試合連続で10キル(アシスト抜き)を達成する
- 10試合行ってキルレシオをスコアリングする(アシスト抜きのキル数を足して、そこからデス数を引いた数字をスコアとして記録します)
- 中央の高台に3分間居座り続ける
などがあります。
これを読んでいる人の中には、キャラコンの練習自体もガチマッチでやるという人が多いと思いますが、私はその方法は全くお勧めしません。
実行能力のアップデート=キャラクターコントロールの上達を目指す際に、私がガチマッチではなくナワバリバトルをお勧めするのにはいくつかの理由があります。
理由①:ガチマッチは勝敗以外の指標を追いかけづらいから
キャラコンの上達なら、ガチマッチの方が実践的だし、敵と撃ち合う回数も多いから適切なのでは?と思う人もいるかもしれません。
しかし、ガチマッチは仕様の問題で「キャラコンを鍛える」という勝敗以外の純粋な目標を追いかけづらくなっています。
理由は「ランクレートが下がるから」です。
断言できますが、「キャラコンを鍛えるためだから勝敗を気にしなくていいよ」と伝えたとしても、何試合かしたら絶対に勝ちたくなってきます。
そして、無駄にイライラして、本来の目的を見失い、結局立ち回りや理想のイメージが崩れただけの結果になりがちです。
それに比べて、ナワバリバトルなら勝っても負けてもレートにヒビが入ったりなどの心理ダメージが多くないので、基礎練習としての指標を追いかけやすいのです。
理由②:ガチマッチは負けると敵が弱くなっていくから
このページでさんざん説明してきましたが、ガチマッチは基本的に「オブジェクト管理」をするゲームなので、キャラコンを鍛えるために潜って敵を追いかけまわしていると、高確率で負けます。
そして、ガチマッチは負け続けるとどんどん敵が弱くなっていってしまう仕様になっています。
そして、自分の今のキャラコン能力よりも圧倒的に弱いレベルまで下がってしまったら、もはや練習にはなりません。
このように、そもそもガチマッチはキャラコンを鍛えるためには不向きなゲーム設計になっているのが分かると思います。
逆説的に聞こえるかもしれませんが、上手くなりたいならガチマッチに潜ってはいけないのです。
ガチマッチは、
現在の自分の実力を測定する場所
であり、ガチマッチ以外のところで「精確なイメージ」と「高い実行能力」を身につけて、ガチマッチでそれを発揮できるかチェックするのが合理的な練習ループです。
理由③:ガチマッチのキルはオブジェクトに依存するから
キャラクターコントロールは、基本的に敵を追いかけたり、敵から逃げたり、敵を倒したりなどの対面が必要になります。
ただ、実際にはガチマッチのキルというのは純粋な対面よりは、オブジェクトに関連したものが多いです。
ヤグラに乗っている敵を倒したり、ヤグラの上を攻撃しようとする敵を待ち伏せしたりなどは、すべて「オブジェクトに依存したキル」です。
気づいていない人も多いですが、実はガチマッチは構造上このような「オブジェクト関連のキルデス」が多くなるので、純粋なキャラコンを鍛えるのに向いていません。
逆にナワバリバトルはステージ全面がオブジェクトなので、誰がどこにいるのかが予想しづらく、どこで誰と対面が発生するかも予測できません。
だからこそ、例えばナワバリバトルで10キル(アシスト無し)を狙おうとすると、自分からどんどん動き回って、敵と遭遇する可能性を高めなくてはいけなくなり、強制的にキャラコンが必要になります。
純粋なキャラコンを鍛えるなら、圧倒的にナワバリバトルの方が向いているのです。
理由④ガチマッチでオブジェクトを無視するのは迷惑だから
単純な話ですが、ガチマッチはゲームの設計上「1つの負けにもこだわって張りつめてランクを上げようとしている」という人がたくさん参加しています。
そういう場所で基礎練習をするのは失礼ですし、勝利に影響が出づらいような動きを自覚して行うのはマナー違反と言ってもいいでしょう。
あなたも、自分がどうしても勝ちたいと思っているランク昇格が掛かった試合で、全くエリアを塗らずに敵を追いかけまわして死んでいる味方がいて負けたら、きっと怒ると思います。
自分もそういうことは辞めておきましょう。
ということで、上記の理由からキャラコンの上達はナワバリバトルが最適です。
動画を振り返って、実行能力のアップデートが必要かな・・・?と思ったら、まずは
ナワバリバトルで10キル(アシスト抜き)を3回連続達成
に挑戦してみてください。
他にも、
ナワバリバトル(野良)を10回やって、【キル(アシスト抜き)数-デス数】のスコア更新に挑戦する
など、ナワバリバトルを活用して基礎練習をする方法は考えればいくらでもあります。
是非効果的な基礎練を見つけてみてください。
最後に▼
私が団長を務める「アタリメフルボディーズ」というゲーミングチームでは、「スプラトゥーンをチームスポーツとして楽しむ」というビジョンを掲げ、戦術の研究や大会の開催なども行っています。
興味がある方は是非下記をご覧ください▼
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